CHIYODAKAKOU

Customer Reviews
プラント建設業

数千枚もの図面を扱うプロジェクトで活用。
今後はさらなる自動化にも期待大!

千代田化工建設株式会社さまの事例

お話を伺った方

千代田化工建設株式会社

 地球環境プロジェクト事業本部
 ライフサイエンスプロジェクト部
 アドバンストインダストリーズプロジェクトセクション
 兼 CDO室Digital Officer

 田中 智史 さま

 国内エネルギー環境プロジェクト部
 化学・ガスプロジェクトセクション

 佐藤 柊平 さま

写真左から:佐藤さま、田中さま

千代田化工建設株式会社は、石油・ガスといったエネルギーから、化学、環境、省エネ、産業設備、蓄電池、ライフサイエンスまで幅広い分野において、プラントの設計・調達・建設(EPC)を中心に数多くのプロジェクトを世界各地で手掛ける総合エンジニアリング企業。MIIDELはバージョン3以降6年もの間お使いいただいています。今回は、そのご活用の様子や今後へのご要望をお伺いしました。
MIIDEL(以下M):千代田化工建設さんは国内外で大きなプラントの企画、建設を手掛けられています。やはり日頃から扱う図面も大量なのですか?
田中さま(以下敬称略):プロジェクトの規模にもよりますが、キングファイルで20〜40冊分、枚数で言うと数千枚にはなります。
佐藤さま(以下敬称略):私が担当した国内のプロジェクトでは、150冊を超えるキングファイルをお客さまに納品したプロジェクトもありました。
ご自身のプロジェクトではじめにMIIDELを導入・ご活用いただいた田中さま
M:それはすごい量ですね。ちょっとした引っ越し荷物くらいありますね。
田中:図面比較は、社外から来たものと自社で起こしたものの比較、改訂番号が変わるタイミングでの比較など、各担当にとってとても日常的な作業ですが、完璧にするのは大変です。でも、ものが出来てしまってから気づいたのでは遅いですからね。
佐藤:受け取った図面に変更の雲マーク*があってもそれ以外のところが意図せず変わっていたり、先祖返りしてる箇所があったりもします。雲マーク内の確認だけで済めばいいんですが、不安があると全部見ることになって、とても時間がかかります。
M:しかも図面がそれだけの枚数ですから…大変さが伝わってきます。「図面比較の効率化」は、社内で課題として上がっていたのですか?
田中:最初にMIIDELを試してみようと思ったのは、私が自分のプロジェクトで何か新しい取り組みをしたいと思っていた中で、確か『日経コンストラクション』の記事で存在を知ったのがきっかけです。数千億円規模の海外プロジェクトと違って私が担当する国内プロジェクトは小回りがきくのですぐに導入できるし、これで作業が楽になるなら、当時全社で展開されていたデジタルによる生産性向上の取り組みの施策としてもいいなと思いました。 2018年に導入して、最初は自分のプロジェクトだけで使っていましたが、その後、本部全体に展開して、グループ企業にも紹介して使ってもらうようにしたんです。
M:日頃はどれくらいの頻度でMIIDELを使われているんですか?
佐藤:日頃から使うというよりも、ある時図面チェックの山場がやってくる、という感じです。図面の改訂番号が変わる時、それもプロジェクトの前半で使うことが多いです。方針がガラリと変わることがありますから。後半になると変更点は減ってくるので、1、2枚の変更チェックためにMIIDELを立ち上げるということはなくなってきます。
田中:だから本当は、MIIDELを業務プロセスの中に組み込みたいんですよ。ふだんから社内外のスタッフと共有しているドキュメント管理システムの中にMIIDELが(統合されて)入っていて、改訂番号が上がると全部を自動で比較してレポートも出してくれて…となると理想です。管理システム側にもインターフェースなどの開発が必要になるので、ハードルは非常に高いんですけどね(笑)。
完成図書提出時の活用事例をお話しくださった佐藤さま
M:なるほど、チェックの網羅性を考えると自動化の強化は一つの方向性かもしれませんね。一方で、これまで使われてきた中で「助かった」と印象に残っていることはありますか?
佐藤:先日、あるプロジェクトの官庁申請の手伝いをしたんですけど、官庁のほうから「(初期申請と)変わったところを全部マークしてくれ」と言われたんですよ。施工図や機器図、文書に至るまで、すべてです。でも完成図書*の図面に雲マークなんてないじゃないですか。しかも改訂番号が一つや二つ前との比較ならまだしも、初期申請時との差だから全然わからないんですよ。提出期日が差し迫っていて、この申請が遅れればその分だけお客さまとの契約納期も遅れてしまうし、絶対に遅れることができない状況だったので大変でした。だからこの時は助かりましたね。私はヘルプで入ったのでプロジェクトの経緯は知らなかったんですが、それでも短い時間に手分けして的確にチェックができました。
M:それはとてもMIIDELらしいエピソードですね!大変な局面でお役に立ててうれしいです。最後に、今後のMIIDELに期待されることがありましたらお聞かせください。
佐藤:図面を格納しているフォルダ内のファイル名を読み取って、比較するファイルどうしをマッチングして自動で比較結果を出してくれるとすごくありがたいと思っています。ファイル名の付け方はだいたい決まってるので、バージョン違いを読んで判断してくれて。
田中:先ほどの自動化の話とも関連するんですが、今後はMIIDELに到達するステップをいかに減らせるかが鍵だと思っています。ソフトの立ち上げや、比較後の補正をどれだけ意識せずに結果レポートまで辿り着けるかということです。 使い始めた頃にはなかった機能も次々と搭載されていますし、そうした改良もしていただいて、社内の稼働率をもっと上げられると思っているんですよ。私たちの仕事から、「前の図面と比較して確認する」という作業がなくなることはありませんからね。
*雲マーク=建築図面、電気設備図面などで、変更箇所を知らせるためにつける印。モコモコした雲のような線で囲むので雲マークと呼ばれている(右図)。
*完成図書=工事完成時に提出する書類。実施仕様書、計算書、施工図、機器図、施 工管理記録書、取扱説明書などが含まれる。